■天童将棋駒の由来
天童駒の由来は、江戸時代末期にさかのぼります。
武士の生活が厳しい状況に置かれ、藩としても生活の救済策を考える必要がありました。当時の家老吉田大八は「将棋は戦闘を練る競技のため、将棋の駒を作るのは武士の面目を傷つける内職ではない」として、その製造を奨励しました。これが天童駒の始まりといわれています。
天童駒の特徴は、草書体の書き駒ですが、近年は彫り埋駒、盛り上げ駒などが作られ、名人戦や王将戦などプロの対局に使用されています。天童市が全国の9割以上を生産し、天童の将棋駒は1996年、伝統工芸品に指定されています。
 
■材質・木地について
高級品はツゲ(本黄楊)で作られます。なかでも、東京都の御蔵島に生息している御蔵島黄楊と、鹿児島県の薩摩黄楊が最高級品とされています。
本黄楊の代用として、東南アジア原産のシャム黄楊(「黄楊」とついているがアカネ科で、ツゲ科の本黄楊とは異なる木材である)が普及品として用いられています。また、天童市を含む東北地方に生息しているホオノキやカエデなどを用いることもあります。
また、とくに本黄楊の木地には、「斑」(ふ)あるいは「杢」(もく)と呼ばれる、木地の色が一部違う部分が入っているものがあり、その入り方によって虎斑(虎の斑点のような模様)・根杢・くじゃく杢(孔雀が羽を広げたような模様)などと呼ばれます。斑や杢の入っているものは、工芸的価値も高く、より高級品となります。また、柾目にも種類があって、「赤柾」(柾目が赤いもの)「糸柾」(糸のような柾目のもの)などがあります。
また、 プラスチック製の駒も安価な普及品として利用されています。磁石を埋め込んで鉄製の将棋盤の上で使うものもあり、動揺があっても駒がずれないのが良いところです。
 
■書体について
普及品は並・中・上と呼ばれる簡素で無骨な書体ですが、中級品から高級品になると、書体ごとに銘がつけられています。これらの駒は「銘駒」と呼ばれます。代表的な銘として、錦旗(きんき)・水無瀬(みなせ)・菱湖(りょうこ)・源兵衛清安(げんべえきよやす)などが挙げられます。
書体見本
 
■彫り方について

プラスチックの駒やスタンプ駒(木地に書体をスタンプしたもの)などの普及品は工業的に生産されますが、一般的な彫り駒は駒師とよばれる専門職人の手作業によって工芸的に制作されています。
彫り駒の一般的な製法として、原料となる木を駒の大きさに切って整えたあと、書体に合わせて木地を彫っていく。その表面に漆を塗り、サンドペーパーで研ぎ出して駒となります。
彫り方と漆の書き込み方によって、書き駒・彫り駒・彫り埋め駒・盛り上げ駒に分けられます。

  • 書き駒・・・木地の表面に直接漆を書き込んだもの。
  • 彫り駒・・・木地を彫った部分に漆を塗ったもの。普及品から中級品として用いられます。
  • 彫り埋め駒・・・木地を彫った部分に、漆を木地の高さまで埋め込んだもの。高級品です。
  • 盛り上げ駒・・・漆を木地の高さよりさらに盛り上げて作ったもの。最高級品で、タイトル戦にも用いられます。
    彫り方
 
 
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